平成16年8月サロン・ド・あづまばし報告
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8月20日(金)8月サロン・ド・あづまばし開催ご報告(1)
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話題提供:TMA会員栗原茂明さま

テーマ:『レッチワースガーデンシティ』LETCHWORTHGARDENCITY

時間:PM 6:40〜10:00

研究部会員田中(順)がご報告させて頂きます
●報告の項目
(1)なぜレッチワースなのか
(2)綾瀬市の概要
(3)レッチワースの現況
(4)報告後の話題(キーワードごとの概略)
(5)参考資料:「田園都市論の概要」、「田園郊外と田園都市」、「日本における田園都市論」、「コモン…入会地」についてなど栗原様の資料の補足 、及び話題になったことについて多少調べて付け加えております。

1)なぜレッチワースなのか

◆綾瀬市役所職員時代に「中心市街地活性化基本計画」を作成。「土地利用権の活用・賃貸型の都市と官民共同がたのまちづくり」を提案。(栗原様は綾瀬市在住。)

◆綾瀬市には都市構成上中心市街地がなく(後段の資料参照)新しく中心市街地を作る(約40ha、現在農振農用地)という構想。厚木基地による影響多大で中心市街地が形成されずにいること、中心市街地を新たに創出する必要性を力説。3回の市民フォーラムによる合意形成を図り、国土交通省にも「総力を挙げてやる」との確約を得たにもかかわらず、市長、市職員等やる気がまったくない。そこで、退職しNPO等立ち上げて自分たちで行動を起こすことに思い至る。多摩大学大学院で修士論文「コモンズの経営に関する一考察」をまとめる。そこでハワードの「田園都市」に出会う。

◆レッチワースは、ハワードの論により建築家アンウィン等が関わり建設し、現在に至るまでほぼその思想が受け継がれている田園都市。「この100年経過した都市で今何が起きており、何が特徴なのか、市民は本当に幸せなのか。」を現地で検証を行った。

2)綾瀬市の概要


◆綾瀬市の規模:
人口:H16年で約8万2千人、
面積:行政区域2,228ha、市街化区域1,028ha

◆厚木基地:
(市域の約18%)一部大和市、戦後マッカーサーが降り立ったところ。
米航空施設、海上自衛隊厚木航空基地として日米協同利用、航空機騒音騒音に悩まされ、基地の整理・縮小・返還等を毎年要望している。年間基地関連の補助金約3億円。

◆都市構造の特徴:
市域の中央部が農地の(逆ドーナツ型市街地?)市街地構造(鉄道駅が市内ないため、市外の鉄道駅に近い市域の外縁部から市街地が形成され、市の中央部に大きく農地が広がる。)このため、市内には、商業・業務機能や公共公益施設が集積する中心市街地がなく、都市構造上、求心力に欠けている。市民生活や産業活動を支える都市としての高い利便性や機能性等、本市の都市機能に対する需要は、近隣市をはじめとした市外に求めている。

◆中心市街地活性化基本計画の区域:
面積総計約224haこのうち34haが市街化調整区域
●旧市街地[約90ha]
●新市街地[約101ha]
◎タウンセンター地区〔深谷中央特定土地区画整理事業地区[58.6ha]、◎早川城山特定土地区画整理事業地区[42.6ha]〕
◎現在施工中(計画人口約1万人強)
◎将来市街地セントラルパーク都心地区[約34ha]新タウンセンター地区(現在、市街化調整区域、農業振興地域の農用地)・・・栗原氏がこれから賃貸型都市構想している地区。
(綾瀬市ホームページに掲載された、総合計画・都市計画マスタープラン・中心市街地活性化基本計画等から抜粋)

3)レッチワースの現況

◆レッチワースの危機:1961年株取得による定款変更◎のっとり計画発覚、 1962「レッチワース公社法」制定、政府機関の開発公社に移管。

◆「レッチワース田園都市財団」設立、当初の田園都市復活

◆現地検証(ヒアリング)のなかで:
<財団で>土地の所有権は…道路・公園
◎緑地・公共施設は市の財産、住宅用地・商業工業用地
◎農地・ゴルフ場などは財団 所有地/農地は市民が使用しているのか…農家が賃貸使用、市民は裏庭で家庭菜園/土地・賃料は周辺と比べて…割高、住環境が優れている、ロンドンでは手に入らない 環境・安全・コミュニティがある。/財団は将来も…持続可能、誇りを持って仕事を している。(詳しくは栗原様の資料をご覧ください。)

4)報告後の話題(キーワードごとの概略)

<新市街地開発について>

◆綾瀬市での中心市街地形成の考え方は…レッチワースに習い、任意組合等を 組織し、借地方式で中心市街地を形成し、管理◎運営する構想。また中心部に公園 (近隣公園が近接地にあるので防災公園)をつくり、イベント等開催し人が集まるに ぎわいのあるまちづくりをしたい。始めに賃貸住宅を作る計画。

◆この時期、新市街地の開発は時代に逆行では、しかも農振農用地では…法的 規制は何とでもなる、やる気さえあれば、しかし、これだけの土地利用のニーズがあ るかどうかが問題。(既に現在施工中の新市街地が1万人強の計画である。)

◆レッチワースは商業や工業施設等財団が所有し出店についての制限◎管理を 行っており、スーパーは2件(ただしチェーンストアはない、スタバもない)で不足 する部門については家賃をただにしても誘導するシステム。産業業態までも制限◎管 理するこのハワードの理論には相反する。(この点はドイツでも同じような都市があ る。…少々、共産主義的?もしかすると、商業開発の原理に反するもの?) <住宅の問題>

◆農家のアパート賃貸経営に関しては、現在、農協が間に入り指導、結果とし て高いコンサル料を市外に流出。低コスト◎良質住居建設は自分たちで選択すべき。

◆一体的な都市の管理◎経営のため、土地の個人所有はなく、個人は建物のみ 所有◎あるいは賃貸で。

◆地主主体ではなく、居住者を主体とした居住環境の供給が重要。市民は所有 を考えずにライフスタールに合った居住空間を自由に選択(ヤドカリ的ライフスタイ ル?)

◆「匠の会」など従来工法による建築団体等があるが、→これは、個人所有の 発想。

◆定住圏構想(第3次全国総合計画)は、間違いではなかったか。日本の住宅 制度(持ち家制度)は土地の個人所有に拍車を促進し、結果として一体的まちづくり に支障を来たす面が多々ある。持ち家ではなく賃貸住宅に力を入れるべきであった。 国は補助金等無駄に使いすぎたのでは。 <農業◎農地の問題>

◆今後、農地の価格は0になる可能性。むしろ負の資産。

◆農地所有者の今後の問題:後継者なし、グローバル化による農業経営の困 難。維持管理をどうするか。

◆今後の展開:土地の多面的な活用、ゆとりあるライフスタイルの展開。 (レッチワースでの各戸のガーデニング管理には、個人生活を大切にする考え方が重 要、日本でのサラリーマンの定時帰宅は可能か…終身雇用制度の崩壊◎SOHO◎在宅勤 務等多様な就業機会の展開により今後は充実した個人生活が可能) <公共性の概念◎美しいまちづくり>

◆コモンズの思想を取り入れ、住民参加◎協働のまちづくりにおける「公共性 の概念」を構築したい…自治法の地縁団体として自治体に寄付。

◆レッチワースは生垣等によって住宅の裏側が見えないようにデザインされて いる。

◆緑やその管理が重要。 (ちなみに、ヨーロッパの緑が多いのは小麦主食のためで、米に比べて供給率が低い ため広大な緑が展開される…とか)

◆話題にならなかったが、レッチワースの居住環境の美しさは、建築家であっ たレイモンド・アンウィン(1863〜1940)の設計によるところが多大。アンウィンは 中世ヨーロッパ(ドイツ・フランス)の村・町の視覚構成を分析・研究しハムステッ ドで先に実績がある。設計者の選択、設計者を何人か選ぶことも重要かもしれない。 (幕張新都心で街区型…沿道型集合住宅で、それぞれ建築家をコンペにより選定、建 設している。)

続く(クリック)


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