平成16年6月サロン・ド・あづまばし報告
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6月25日(金)6月サロン・ド・あづまばし開催ご報告(1)
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話題提供:TMA会員三橋重昭さま

テーマ:その1『2020年まちづくりの方向』

以下のご報告は三橋様から頂いた貴重な文章からポイントを抽出し掲載させていただいたものです。本当は全文公開したいところですが、野村の勝手な整理で大変恐縮いたしております。

1)大型店の過剰出店の現状

◎郊外出店の増勢はものすごい。 しかも、区画整地に伴う開発、市街化調整区域の開発許可など、国の機関や自治体が推進している現状をみると、将来を憂い、溜め息がでる。 1995年、日本の人口は約12,500万人で日本の全小売業売場面積は、12, 500万uであった。 人口の伸びはほとんどないのに、02年の全小売業売場面積は、14,000万u強、そしてその内の大型店比率は約60%。 大店法が廃止されてからの大型店出店攻勢は目覚しく、今は年間500万u近くの新規出店が予定されている。(閉店面積も相当あるだろうが)

◎しかし、日本はもうすぐ人口減少時代に入る。早ければ2.3年内に、前年比50万人減となり、そのような時代は数十年は続く。単純な言い方だが、人口が年間50万人減ることが確実なのに、売場面積増加は人口が500万人増えることを前提としているようだ。

◎大型店の郊外出店攻勢は、商店街の危機であり、まちづくりの危機でもある。 2003年度商店街実態調査によれば、衰退・停滞しているところが96%。 繁栄していると答えた商店街の比率は2.3%。繁栄していると答えた商店街は、95年調査からほぼ一貫している。 (1995年、2.7%、2000年2.2%、2003年2.3%)

◎最近は、商店街が新たに設立されることは少なく、逆に統合・解散も少なくはない。 大胆な予想ではあるが、全国の商店街数、規模を問わなければ、都市部10,000ヶ所。郡部で、5,000ヶ所で合計1.5万ヶ所位ではないかと思う。(−大型店1.8万店より少ない) 商店街実態調査で、繁栄している商店街のほとんどが大都市に立地する広域型商店街。(繁栄している商店街は、200ヶ所強)、 最近の大型店出店攻勢で、人口100万人以下の都市で繁栄している商店街をみつけるのが難しいくらい。 地方にいくと、モノ・カネ中心の物質文明に侵されていない、真の豊かさを感じる地域資源が多いことに驚かされる。 地方再生が叫ばれているが、地域が元気になることは、地域の個性が発揮され、それが地域の顔であり、中心であるである地域商業が元気になることだと思う。ただ、その姿は、昭和30年代、40年代の商店街の姿とは全く違ったものになっていなければならないだろう。

そのためにどうするか!
月並みな言い方だが、商店街の問題として捉えるのではなく、地域の問題、地方再生、地域活性化の観点から、抜本的に取り組まなければならない。

2)2020年目標のまちづくり


平成に入って16年、あっという間だった。あと16年後は2020年。もう各地で、ビジョンを持ち、その実現に向かわなければならない。考えてみれば、今までの16年、バブルに踊り、その後遺症対策に追われ、一方、グローバリゼーションに翻弄されてきたのではないか。まちづくり取組みは、過去の成長・拡大を前提にした公共主体の事業が多かった。これからの16年は、地に足をしっかりつけ、地域主体にまちづくりをする時代に入った。あなたの16年後は、今、現在のあなたが、私が主役となってつくるものだというしっかりとした自覚が、最終的に求められているのではないか。

禅宗からきた言葉だと思うが、「あなたの将来は、今・時点のあなたが決める」英語にも訳されて、「YourFutureisHere&Now」と言われているが、戦後の大きな社会変動の波をつくってきた団塊の世代の将来が、今、ここで決まるのではないか。

2020年、団塊の世代は70才を超える。その時までに、安心して住める快適なまちを、(数の上では)団塊の世代が中心となって、なんとしてでも、つくらなければならない。2020年目標のまちづくりは、我々の将来の準備とともに、日本及び日本人の盛衰をかけたものになる事を自覚しなければならないだろう。

2020年には、日本の人口に占める高齢者(65歳以上)比率は約27%。因みに、1980年は13.5%(約1100万人)、2000年は17.2%(約2200万人)、2020年は約3300万人である。人口構成からみれば日本全体が、今の過疎地域並みとなる。それも、今、住宅地として人気のあるところほど、高齢者が急増する。(首都圏では浦安、幕張などは3倍増以上、逆に過疎の町村ほど増加率は低い。)現在、高水準の高齢化社会になっているEU諸国でも、2020年時の高齢者比率は20.5%。(フィンランド人口問題研究所資料)EU諸国は、高齢化社会対応のまちづくり(ストック重視)をしてきた歴史がある。しかし日本は、「フロー重視のまちづくり」だった。これを続けていたら、決して豊かになれない。早い転換が絶対必要である。

3)「地価が0になる日」

収益力を生まない土地は、新しい会計基準で価値が0どころか、マイナスになる。この原因は、大きく3つあります。

◎1つ目は、企業会計のビッグバンに由来するもの。 キャッシュフロー(現金収入)を生まない資産の価値は0に近づきます。土地がその一番の対象になるでしょう。

◎2つ目は、不良資産等売却物件の急増 中心市街地の閉鎖大型店、土地つきで売却価格0円でも買い手が見つからないところも多くなっています。 キャッシュフローを生まなくなった工場や農地等は、どんどん市場に放出され、既存店売上減少をカバーしようと、また巨大外資応撃を口実にするビッグストアが安く買い漁っています。 ただビッグストアも利巧になって、定期借地権や不動産証券化で、土地所有のリスクを無くそうとしています。最後にババをつかむのは、誰でしょうか。土地の供給が、需要を上回れば、価格は下がることは、誰でも知っています。

◎3つ目は、人口構成からくる住宅需要の激減です。 バブルの時代は、ものすごい数の団塊世代が、住宅を新規に買い値上がりしました。 そして土地ころがしで、儲けようとする地上げ業者が、それに便乗して需要実態のないバブル経済を生みました。 しかし、団塊世代ジュニアの多くは、親から住宅を相続できる人が多くなりますので建替えは盛んになっても、新規住宅需要は多くは発生しません。 団塊孫世代は、自分の相続分も含めて、あり余る住宅物件から、ただ同然で住宅を取得できるでしょう。 こうなると土地の価格はつきません。

上記3理由により、土地価格が0に近くなる日は、近い将来必ずくると思います。
但し、これは現在の金融システムや、固定資産税収入に頼る自治体財政の破綻を意味しますから、ソフト・ランディングが求められます。 ソフト・ランディングに必要なのは、「タウン・マネージメント」です。よい環境が保たれている地価は下がらないでしょう。むしろ欧米の例にもあるように地価が上がって行くでしょう。SCでも同じです。 35年前に開店した、玉川高島屋SCは売上が減少している(昨年の大幅増床で上昇に転じたと思うが)にも関わらず、不動産価格は上昇しています。 これはSCマネージメントがしっかりしているからです。

まちは、デベロップメント(開発)によって、不動産価値は下がり、マネージメント(経営)によって、不動産価値は上がる時代に入りました。これは、これからの、まちづくりの基本中の基本ではないでしょうか。

続く(クリック)



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